こんぱち。

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PSP 「銃声とダイヤモンド」 感想


Category: PSP   Tags: PSP  感想  SCE  麻野一哉  坂本英城  
2009年発売の「交渉アドベンチャーノベル」。

プレイヤーは警視庁ゼロ課の交渉人・鬼塚陽一の視点で、人質を取って立てこもる犯人や事件の被疑者に対し、「交渉」という方法で数々の事件に立ち向かう。

一般的なアドベンチャーノベルゲームでは、大きく分けて文章の見せ方に二つのタイプがある。
一つは、「地の文」を表示するタイプと、地の文を表示せず「台詞のみ」で進行するタイプ。
「銃声とダイヤモンド」(以下「銃声」)は後者の部類。
こういった「台詞のみ」の作品で重要なのは、キャラクターの心理描写や行動をどれだけプレイヤーに伝えられるかにある。
この点を、「銃声」ではCGをかなり大目に用意する事でそれを可能にしている。
基本は「静止画の一枚絵」ではあるものの、その差分が多く見ていて飽きさせない。
しかし、そうするとどうしても「描写しきれない部分」が出てくる事になる。
例えば、「鬼塚は犯人に対しどう考えているのか?」や、「犯人の心理は?」である。
これを上手く回避しているのがプロファイラー・中村による「プロファイリングパート」だ。
中村に犯人の情報や鬼塚の考えを伝え、犯人がどう考えているのかを導き出す。
これはこのゲームに置いて二つの点で重要な事で、一つは前述の心理描写をブレさせない事、もう一つはゲームの核の部分である「交渉」のヒントになるという事だ。
しかし、地の文を表示させるタイプでも主人公の心理描写は鮮明に描写出来るが、敵対する人間の行動、他の人間の描写は曖昧にされがちな傾向がある。
特に地の文が主人公視点の場合、それは主人公の主観であるし、第三者視点での場合では描き切る事が難しい。
「銃声」では多めのCG差分とプロファイリングによって、その二つを同時に解決している。
また、キャラクターの心情によってフォントサイズが変わるのもそれを補助している。
大声であればフォントは大きく、小声であればフォントは小さく。
些細な事ではあるが、効果的な手法だ。
そしてCGの差分が多い、というのはもう一つ効果的な面がある。
こういった「交渉」や「犯罪現場」を扱っている作品というのは一瞬で状況が変わるものであり、必ず大きな転機が訪れるもの、である。
そういった場面でCGが次々と切り替わったらどうだろう。
かなりのスピード感を演出出来るのではないだろうか。
「動的な静止画」を上手く活用出来ている好例と言える。

では、ゲームの核である「交渉」パートを見てみよう。
「交渉」前には「交渉」の目的を提示され(例「人質の安全を確保しろ」「身代金到着まで時間を稼げ」等)、その結果になるように交渉を進める必要がある。
このパートでは犯人に対する返答をプレイヤーが直接選択する場面がある。
犯人からの会話に対して、「○:人質を解放してくれ」等と選択肢が現れる。
そして、この選択肢はほとんどの場合が時限性だ。
逆に言えばその選択肢を無視してそのまま犯人に会話を続けさせる事も可能であるし、その選択肢とは違った返答を鬼塚がする、という具合だ。
しかし、この「交渉」で重要なのは、犯人の「感情メーター」だ。
これは犯人を怒らせたりする事によって増加し、そのメーターがフルになると犯人は激情し、交渉は失敗(BAD ENDとなる。
犯人の性格や鬼塚の返答によってはメーターの増加量も異なり、逆に落ち着かせた場合はメーターが減少する。
もっとも、「全く増加しないのが必ずしも良い」とは限らず、時には相手を挑発するような態度も必要になる。
このメーターの存在が「常に一触即発」の状況を作り上げ、緊張感を生む。
そして、プレイヤーは鬼塚の発言の真意を読み取らなければならない。
一見「ダメだろう、それは」と思える返答が正解であったり、鬼塚の考えがプレイヤーの予想を超えた先にある場合もある。
…こう書くと、とっつきにくそうで難しそう、というイメージがあるかもしれない。
確かに交渉する場面の多さ、BAD ENDの多さを考えると他の一般的なノベルゲームより難易度は高いだろう。
だが、もし失敗しても交渉直前の場面からすぐリトライ出来る事や、前述の中村のプロファイリングでヒントを与えられていた場合、選択肢によってはそれが「良い返答」なのか「悪い返答」なのかを示してくれる。
また、交渉中はメッセージスピードがかなり落ちる為、余裕を持って考えながら進める事も可能だ。
(もっとも、この点に関しては後にマイナス点となって来るのだが…)

「システム面」を少し見てみよう。
こういったノベルゲームでは「当然」である「オート」、「スキップ」、「読み戻し」は搭載。
交渉中以外の□ボタンで関係者の関係図と簡単なプロフィール、△ボタンでキーワードの一覧。
このキーワードとは「捜査中、鬼塚が気になった事」であり、これは中村のプロファイリング時にプレイヤーが任意で選択する。
この選択によって中村は犯人像を割り出し、交渉のヒントとなる、というわけだ。
従って、プロファイル時にあまり関係の無いキーワードを選択してしまうと、ヒントは得られなくなってしまう。
「関係図」は新たな局面を迎えると随時更新される。1エピソードの長さもそこそこあり、事態はコロコロ変わるので全体図を把握する為にも時折チェックするのが良いだろう。

ストーリーに関しては各エピソードが独立して存在している訳では無く、一本を通して長編となる、連作短編方式。
ストーリー展開にご都合主義は否めないものの、全体としてよく練られている、という印象。
好き嫌いに関してはどうしても別れるだろうが、事態が変わった時点でチャプターの区切りとするなど、先の展開が気になる人には非常に止め時が難しいゲームだ。
また、台詞も常にシリアスなものではなく軽いユーモアやジョークも混ぜられており、それが一層事件をシリアスに際立たせる。
各キャラクターに関してはやはり鬼塚の存在感が強いが(主人公だから当然と言えば当然)、女性捜査官・神崎ひろみや、ゼロ課を取り纏める指揮官・片桐、ゼロ課見習いの高梨、SIT隊員の北村、西脇、組織犯罪対策部・井上警部、捜査1課・小山田警視正、鬼塚の友人であるグレン、佐伯など、個性の強いキャラクター達に相応の見せ場がある。
ただし、個性が強すぎて各キャラクター達を深く掘り下げられていない印象だ。
この辺りは「ボーナスシナリオ」としてでも収録して欲しかった。
例えば、鬼塚が犯人から要求された身代金やヘリなどを用意する為に奔走する「片桐編」、とか。
それと、鬼塚と神埼がありがちなラブストーリーにならなかったのは好印象
↑ネタバレの為文字色変更、ドラッグで表示。
キャラクターのデザインに関しては好き嫌いはあるだろうが、リアル性重視としてのデザインで方向は間違っていない。
ただ、角度によって少し見栄えが変わるのは気になった。
見た感じトゥーンシェードしたポリゴンモデルを静止画として使っている感じやけど…、違うっぽいな。

どんなゲームにも少しの欠点があり、完璧なゲームというものは存在しない。
「銃声」も例外ではなく、細かな欠点が見られる。
前述した「交渉時のテキストスピード低下」だ。
「感情メーター」の存在により犯人が急激に気分を害し、一方的に交渉中止、BAD ENDとなる事も多いこのゲーム。
会話の内容から「もう一押し!」となった所でBAD ENDになれば、その後のリトライ画面ですぐやり直す人も多いはずだ。
だが、既読であろうが無かろうが、交渉中のスキップは一切出来ない。
つまり、10分近くかかって最後にミスをした場合、また10分近くを消費する事になる。
同じ文章や台詞を、何度も読ませられるのは大きなストレスとなり得る。
もう一つ、このゲームにはBAD ENDが実に79個存在する。
そしてそれら全てを集めると「おまけ」が見られるのだが…。
あくまでも「おまけ」なのでリプレイ性の強要は無いが、実際に集めるとなると作業を通り越して苦痛。
また、エピソード4クリア時にエピソード選択が可能となり、各エピソードをトゥルーエンドでクリアする必要がある。
この時に交渉後、トゥルーエンドでは無いルートだった場合「読み戻しから再開できない」のは若干のストレス。
あと、強いて挙げるならば若干効果音のズレがある箇所がある、程度。
誤字や脱字は自分が読んだ限り見当たらなかった。

BGMに関しては作品の雰囲気を壊さない緊迫感のあるBGMから、落ち着いたものまで様々。
リアル系のアドベンチャーにはこういうBGMがよく似合う。
作品世界を盛り上げてくれる、「BGMらしいBGM」と言えるだろう。
大多数の人にとっては交渉中のBGMがお気に入りになるのではないだろうか。

さて、今まで自分の主観で感想を書いてきた訳だが、もう一つ突っ込んだ主観の話をしておこう。
この作品の肝は前述の「動的な静止画」によるスピード感と、「交渉の緊張感」であるのは間違いない。
しかし、個人的に強く印象に残った点が一点ある。
これはストーリーや展開にも絡んでくる事なのではあるが、「鬼塚の考えがプレイヤーの予想を超える」という点だ。
はっきりと言ってしまえば、鬼塚はどんな窮地からでも逆転して犯人を追い詰める。
その逆転がまさに「一発逆転」であり、これは本格推理小説の謎解きに近いカタルシスがある。
鬼塚が勝手に話を進めて「おいおい、どうするんだ?」という状況を見せ、それを逆転して見せる様は実に爽快だ。
また、鬼塚は警視庁所属ではあるものの、厳密に言えば公務員では無いフリーの交渉人であり、彼が常に見せる「プロの交渉人」としての意識、姿勢はアドベンチャーノベルの新しいヒーロー像としても確立出来る可能性がある。
過去のアドベンチャーノベルの名作、「神宮寺三郎」や「かまいたちの夜」の透のように。
こういった作品がセールスに結びつかないのは非常に残念だ、と思わざるを得ない。
しかし、需要は必ずある。SCEは続編の企画を検討するべきだ。
ただし、この「大人向けのテイスト」である点と、「本格推理小説にも似たカタルシス」だけは絶対に残して。

銃声とダイヤモンド銃声とダイヤモンド
(2009/06/18)
Sony PSP

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